ここ10年で家族葬で葬儀を行うケースが高まってきました。簡単に申せば時代の要請なのでしょう。今までは家族葬は密葬とも呼ばれていたものです。
家族葬で行う主な理由としては、
- 地域交流との隔絶
- 核家族化による親戚との希薄
- バブル経済の破綻やリーマンショック以降、将来不安による経済意識
- 豊富な情報による多様性の確立
- 個人主義の台頭
- 親が子に対する負担軽減の意思
など、家族葬にする理由はさまざまです。
家族葬は、新しいタイプのお葬式と言えます
親族はどこまで呼ぶのか?香典は辞退するべきなのか?など疑問も多くあることでしょう
葬儀事情を踏まえて
従来葬儀社は零細企業で地元に根付いている業者が多く、全国に拠点を持つ業者は少なかったのが葬儀事情の現状でした。
そのため、葬儀社に質問を投げかけても経験則での回答しかなく、業者側よりの考え方が如実でした。
近年葬儀社のなかにも上場会社も現れ、葬儀事情も多岐にわたるようになりました。
またインターネットによる様々な価値観の流布から固定観念の打破にもつながったようです。
葬儀に費用をかけない事は決して親不孝ではない。
故人の意向によるも
穏かに故人を送れる
遺族の意向(オーダーメイドの葬儀にしたい)
極力費用を抑えたい
つまり、親族や友人のどこまで声をかけるか?掛けないのか?は全てあなたの判断で良いのです。一般の葬儀のように定められた時間で、葬儀を進行させることもありません。
出棺時間以外すべてが自由に行えますので、お呼びしたい方々の都合のいい時間に参列して頂けます。
今回は、家族葬はどこまで参列者をお呼びすべきか?参列者のマナーなども確認していきます
家族葬での連絡について
家族葬は明確にどこまでの親戚に声をかけるという決まりはありません。
一概に親戚といっても、お付き合いの程度はまちまちでしょうし、家族内で葬式に呼ぶ人を選んでしまって問題はありません。
一般的には3親等位までと言われていますが、特に気にする必要もありません。
故人の意向で家族葬にする
葬儀費用の関係で家族だけで見送りたい
盛大に葬儀を行う必要を感じない
家族葬を行った後に、親交があった人に手紙で亡くなったお知らせで良いと考えている
香典返し等の手間をなくしたい
葬家ごとに理由や事情はさまざまです
家族葬と言うより、オーダーメイドの葬儀と考え、葬家の希望どおりのお葬式を行えば問題はないでしょう
お呼びしたい方に訃報のお知らせをする場合、家族葬で執り行う旨を、事前にお伝えしましょう。そうでないと連絡を受けた方が、気を使い、お呼びする予定のない方にまで連絡が伝わってしまうケースが生じてしまいます。
お呼びする予定のない方には、葬儀が終了するまで、連絡は避けた方が無難です。後日電話なりハガキ・封書で訃報のお伝えをしましょう。その際、故人の遺志により、遺族のみの家族葬で執り行った旨も書き添えましょう。
ただし社会通念上、事前に連絡しなければならないケースもございます、例えば故人が、会社に勤めていた場合・責任ある地位にいた場合・スケジュールで、どなたかと約束があった場合など、状況判断で、葬儀前に連絡をする必要があります。
そのうえで家族葬で執り行う旨をお伝えして、参列を控えて頂きましょう。
参列を控えて頂く場合の言葉として、『故人の希望(遺志)でしたので』『内々の者だけで』『家族葬で』などの言葉を添えましょう、葬家の意向が伝わるはずです。
もしも、お呼びする予定のない方が、ご弔問に起こしになったら、家族葬だからといって無下にお断りしない様にしてください。わざわざの弔問に対し、失礼な事であり、後日トラブルの原因にもなりかねません。会葬者には、ご弔問に対するお礼を述べ、お焼香して頂きましょう。
令和元年・家族葬は葬儀全体の4割前後に達しようとしています。もう家族葬は葬儀の主流になってきたと言っても過言ではないのかもしれません。
家族葬は香典を辞退するべきでしょうか?
家族葬だから香典を辞退するというルールはありません。お香典のもつ意味は、相互扶助の精神から行われるようになったのです。
しかし、近親者で行われる葬儀には、多くの場合香典を辞退しているケースが多いように感じます。
遺族から参列のお願いがあったり、家族葬なので香典は辞退しますという内容の連絡が来ることが大半です
つまり、遺族が香典を辞退しているケースでは、お焼香だけで良いでしょう。香典を辞退する旨が案内状や電話連絡のときになかったら、香典を持参された方が無難でしょう。
令和の時代お葬式も簡素化され、時間・経費・あらゆる負担の軽減を求め、また参列者にも負担を出来る限りお掛けしない気持ちが、家族葬が急激に受け入れられた究極の原因もそこにあるのでしょう。
家族葬は家族葬として、故人・遺族の思い、意向を受け留めて、独立した存在として捉え臨んで頂きたいものです。
今新たな価値観から、家族葬に重きを置き、専門店の様相を呈している葬儀社がございます。
家族葬に参列する側のマナーは?
家族葬に参列の依頼があったときは、出来る限り参列しましょう。家族葬に参列の依頼があるということは、遺族にも近い関係だと考えられます。万が一、仕事の関係などで参列できない場合には、なぜ参列できないのかを事前にお伝えすることが重要です。また場所・時間をお聞きして、できればご供花や弔電を送るなどの配慮も必要です。後日連絡を取ってから、ご自宅にお伺いすることも忘れずに。家族葬での参列依頼は、特別のものとして考えた方が良いでしょう。
家族葬の参列依頼のないときは、参列を差し控えた方が無難です。無理やり弔問に伺う事はお勧めできません。どうしても生前お世話になった方のご葬儀なので、直接弔意を表したいときなどは、電話などで連絡して、承諾を得てから参列しましょう。『故人とあなたとのお付き合いの程度を、遺族として知らない場合もあります〗
葬儀で弔問を控えた場合、お香典や供花も辞退している場合もございますので、弔電を送るぐらいにしておきましょう。
参列したい場合は遺族・親族に連絡を取ってから伺うのがマナーです。また後日連絡をして、ご都合をお伺いしてから、ご自宅に伺う方法もあります。
日がたつと、葬家に余分なご負担を掛けますので、初七日以内位にお伺いできればベストですね。
弔問にお伺いしたとき、お香典を辞退していることをお伺いしたら、お香典を強引に差出すことは遠慮しましょう。かえってご遺族に失礼になります。
気持ちをどうしても伝えたいときは、贈答用のお線香などを持参したり、お送りすればよろしいかと存じます。
家族葬の場合一般のご葬儀とは違い、身近な方々の参列です。焼香したら速やかに失礼されることが肝要です。長居する、そうした環境にはない事も知っておきましょう。
家族葬は少数の人数で行われる葬儀故に、個人個人が目立つ存在になることを実感して下さい。
家族葬に参列できなかった人は、葬儀当日であればお悔やみ弔電を差し上げましょう。
弔電には、定型文が充実しています。『喪主様からみた、故人の続柄で文面を選びます』
例えば、
故人子供・喪主が親の場合『ご子息様・ご令嬢様』
故人が親・喪主が子供の場合『ご尊父様・ご母堂様』
故人が夫・喪主が妻の場合『ご主人様』反対の場合『奥様』
喪主様の関係性(誰が喪主を務めているのか)が不明の時やキリスト教の場合は、故人様宛てに送る。
また通常電報の他、予算に応じた装飾がなされたものもございます。
ご依頼される場合、送り先のご住所・名称を必ず確認したうえで依頼いたしましょう。
上記の弔電以外に、お悔やみの気持ちを込めたお花を送ることも大変喜ばれております。
但し通常の葬儀の時に、供花として祭壇を飾るスタンド型の盛篭ではありません。
もしそうした供花でしたら、担当の葬儀社様に依頼しましょう。
今お話ししているお花は、家族葬ならではのお花であります。『一束の・一篭の』のお花に思いを込めて贈り下さい。