葬儀に参列するとお焼香をすることが通例ですが、何故お焼香をするのか、どの様にするのかなど疑問に思うこともあるでしょう。
基本的に焼香を行うのは仏教の葬儀です、日本での葬儀の多くが仏教で葬儀が営まれています。仏教とは、インドで生まれたお釈迦様の悟りにより始まった宗教です。
焼香は前の人のマネをすれば良いので難しく考える必要もありませんが、亡くなった方を弔うという意味もありますので作法などを簡単に見ていきましょう。
お焼香の作法
お焼香には順番があります。はじめはご導師に続いて喪主様から遺族・親族と血縁の深い方から順次進めていきます。
通常は焼香台に進み出てのお焼香となりますが、式場の都合で回し焼香で執り行う場合もございます。
葬儀はどんな宗教で行われても、参列した場合、あなたの宗派の形式で焼香します。
但ししきたりが違い過ぎる宗教の場合、常識的な作法で行いましょう。
例えば仏教その時、あなたが神道だからと言って柏手を打つことや、キリスト教の場合十字を切ることなどです。また、同じ宗派でもお寺ごとに、しきたりが違うことも多いんですよ
一般的な焼香として念珠は左手に持ち、右手3本の(親・人差し・中)指で香をつまみ、押しいただき、香炉の炭に静かに散らします。これを1回か3回行います。
喪主・遺族様は焼香に進むにあたり、故人様に一礼して焼香をします。
焼香が済みましたら、両側の会葬者様・後方の参列者様に軽い会釈をして席にお戻りいただきます。
参列した人の焼香の流れ。
- 故人に深く一礼します。
- 焼香を行います。焼香がお済になりましたら
- 喪主様に軽く一礼します。(祭壇に向かって右側)
- ご親族に軽く一礼します。(祭壇に向かって左側)
※喪主様・遺族様は祭壇に向い右側に着座されています。左側には、ご親族代表・親族様が着座しています。
焼香時に喪主様・親族様にお話しかけることは決してしないで下さい。また声を出して題目・念仏を唱えてはいけません。あくまで心の中で唱えましょう。
葬儀は故人のご冥福を心よりお祈りする場です。むやみな話しかけは迷惑であり非常識です。
正式な香の上げ方は香を焚く事です、通夜式・告別式で時間前や閉式後での焼香は略式のお線香での合掌となります、式中以外はお線香で祈念いたしましょう。
動画で焼香の流れを確認しましょう
お葬儀に参列する意味は、故人様へ哀悼の意を示すためでございます。故に焼香に際しましては、先ず故人様に深く一礼してから、お焼香を行う。
お焼香がお済になりましてから、遺族・親族様に一礼してから、後方にお下がり頂きます。
参考ビデをでは、参列者に挨拶してから焼香に進んでおりますが、正式には故人様への挨拶が最初です。
最近では、遺族様に挨拶されてから、故人様に向きあう方が多くなり、決して間違いとは言えなくなっておりますが、出来れば正式な方法で行いたいですね。
各宗派のお焼香回数の参考例
宗派 | 焼香方法 | 線香 |
---|---|---|
臨済宗 | 1回焼香 | 1本立てる |
真言宗 | 額におしいただき、3回焼香 | ばらばらに離して3本 |
天台宗 | 定めなし | – |
浄土宗 | 定めなし | – |
浄土真宗 | 額におしいただかず、1回焼香 | 1本を2つに折り寝かせる |
曹洞宗 | 2回焼香。1回押しいただき、2回おしいただかない | 1本立てる |
日蓮宗 | 額におしいただき、1回または3回焼香 | – |
日蓮正宗 | 額におしいただき、3回焼香 | 3本寝かせる |
今の時代、宗派別に焼香をこだわる人はいませんし、詳しい人もいません。
心を込めて焼香に臨めば何の問題もありません。
お焼香の回数に関しての意味は、各宗派口伝が多いようです。焼香の回数にこだわりを持つ必要はないようですので、ご自身の納得する回数で臨みましょう。
但し3回焼香が一般的で、会葬者が多数の場合1回焼香を促されることが多いようです。
香を焚く意義
香とは香木の事で、東南アジア原産の白檀・沈香・伽羅などが有名です。
香木を削った木片のため、炭を焚いた上に散らさねば香を焚くことはできません。日本に伝わったのは仏教伝来と同時期の飛鳥時代と考えられます。
仏教では最高の供養として(燈明の明かり・花の香り・香の香り)を仏に奉呈することが大事とされています。
やり方に関しては、各宗旨により考え方が異なりますが、香で供養する姿勢が一番大事な事です。ご葬家の宗旨にこだわらずに香を供養すればよいのです。
焼香のやり方は貴方の宗派により行うことが正式とされていますので、基本的な作法で焼香いたしましょう。