ガンと聞くとイコール死を連想する方もまだまだ多いのではないでしょうか。
しかし2018(明治150)年この時代を境にと言ってもよいほどの変革が、がん治療におこる気配が生じています。
ガンで苦しんでいる方達にはこれほどの朗報があるでしょうか。詳しく解説いたします。
癌の疾患名
大きく分類して各部位ごとに表します。
- 消火器系
- 胃がん
- 食道がん
- 大腸がん
- 肝細胞がん
- 膵臓がん
- 胆のうがん
- 消化管間質腫瘍
- 胆管がん.
- 喉頭がん
- 舌がん
- 脳腫瘍
- 甲状腺がん
- 神経膠腫(グリオーマ)
- 胸部中皮腫
- 胸腺腫と胸腺がん
- 肺がん
- 乳がん
- 血液
- リンパ
- 悪性リンパ腫
- 多発性骨髄腫
- 慢性骨髄性白血病
- 子宮頸がん
- 卵巣がん
- 子宮体がん(子宮がん)
- 腟がん
- 外陰がん
- 腎盂尿管がん
- 腎細胞がん
- 前立腺がん
- 膀胱がん
- 精巣腫瘍
- 悪性黒色腫(メラノーマ)
- 骨肉腫
- 原発不明がん
- 軟部肉腫(成人)
- 基底細胞がん
- 小児ガン
- 骨運動器腫瘍
治療法の革命
治療の方法をお話しする前に少しお付き合いください。
年々医療にかかる国家予算は膨大なものになりつつあります。この予算を抑えるだけでは解決しない医療問題。
また予算だけを抑え込むと国民への医療サービスは、低下の一途をたどります。
故に日本が得意とする輸出での解決策を模索することが大切になります。
米国に抑え込まれた特許権で多額の費用負担を強いられている現状を打破するためにも、研究開発費に国家予算を増やすことで、儲ければよいとの米国に対し日本・世界の平和にも貢献できるはずです。
手術革新(特許問題)
米国で開発された軍事技術の一つとして、手術ロボットがあります(ダビンチ)この技術で失敗しにくい手術が可能になってきました。
このロボットの普及で、特別なスーパードクターの医者でなくとも手術の平準化が可能になります。
いわゆるどこの病院へ通院しても高度な治療が可能と言うことです。
しかし今まで保険適用でなかったため、実費での支払で200万円ほど費用負担がありましたが、手術の効果が証明された癌に関して保険適用となり、10万円ほどの費用で可能になりました。
この器械一台で3億円ほどでしたが、特許の期間が徐々に終了する為、日本での開発が可能となり、世界へ安く輸出できる可能性も出て来ました。
まず国が金を出し、開発を推し進め最終的な利益と尊敬を集める一例です。
2020年をめどに開発が急ピッチです!高度な手術が今可能ですよ。
放射線治療の革新
放射線は、電磁波と粒子線の2種類に大きく分けられます。
電磁波には、X線、γ(ガンマ)線などが含まれます。
粒子線は、原子を構成する粒子がいろいろな速度で飛んでくるものです。
α(アルファ)線、電子線、陽子線、炭素を代表とする粒子線、中性子線などがあります
今注目するのは重粒子線です。
光の8割ほどの速度で患部に放射する治療法で、ピンポイントで放射でき、体内の奥で効果を発揮する為、今までの放射線治療に比べ回数を減らすことが可能になり、効果も期待できます。
この設備は世界に10拠点ですが、日本に5拠点存在します。
保険適用は現在メラノーマと肺がんだけですが、効果が実証されていけば、他のがんにも保険適用となりつつあります。
日本を代表する日立。東芝の独占開発です。この重粒子線の効果が実証されていけば輸出の大きな稼ぎ頭になるでしょう。
投薬の革新
日本が生んだ免疫チェックポイント阻害薬「オプジーボ」
オプジーボ(ニポルマブ)遺伝子組換え
薬効分類名 −抗悪性腫瘍剤−ヒト型抗ヒトPD-1モノクローナル抗体
人間の体には「免疫」があり、免疫細胞(T細胞)が体外から入ってきた異物、病原菌や、体内で細胞が変化してできた「がん細胞」を検知して、これらを取り囲んで殺したり、動かなくしたり、体外に排除する働きをします。
ところが、T細胞の働きが悪く、がん細胞を抑え込むことができなくなると、がん細胞の表面にある「PD-L1」あるいは「PD-L2」という分子が、T細胞の「PD-1」と結合し、T細胞の動作を止めてしまい、免疫を効かなくします。
これを「がん免疫逃避機構」と言います。
この結果、がん細胞が増殖し、画像診断でも明らかな「がん」となるのです。
これに対して、免疫チェックポイント阻害薬は、PD-1またはPD-L1にふたをかぶせ、T細胞のPD-1とがん細胞のPD-L1とのつながりを阻害します(働かなくします)。
この結果、免疫が再び元に戻り、がんを撃退することができます。
この発見は、京都大学の本庶佑(ほんじょ・たすく)教授(現・京都大学特別教授)によってなされ、
小野薬品工業と本庶教授とが共同研究して、「オプジーボ」(一般名ニボルマブ)が生まれました。
オプジーボはバイオ医薬品であり、小野薬品工業はバイオ医薬品の製造技術を持っていないため、米国のバイオベンチャー、メダレックスと2005年に提携しましたが、そのメダレックスが2009年にBMS(ブリストル・マイヤーズスクイブ)に買収されたため、2011年に小野薬品工業とBMSはオプジーボに関して全面提携しました。
【参考;小野薬品】
簡単に言えば、毎日3000~4000個ほどのがん細胞が体内に生まれていると言われていま。
人間の免疫細胞は、体内から癌細胞を排除し、がんの発症を抑え込みます。
しかし人間の免疫細胞が弱ることで癌の発症が始まります。
オプジーボは、免疫細胞を再度復活させる能力があると実証されましたが、治験の結果死亡される方もおりましたので、現在は終末期の患者様にのみ治療されております。
適用かそうでないかは、担当のドクターにご相談ください。
当初は100㎜あたり73万円しましたが、現在は国の補助で28万円ほどになっています。
免疫治療
免疫治療にも様々な方法がございます。
今回注目しているのが、光免疫療法(Ir700)です。
がん細胞に近赤外線を照射して消滅させる「がん光免疫療法」の日本での治験が、いよいよ国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)で再発頭頸部がんを対象に始まる。
「患者さんにとっては従来の治療法とは異なる新しい選択肢ができる。しかも、その技術は将来さらに発展する可能性を秘めている」
順調に行けば年内にも国内の治験の結果を評価し、その後、世界中で行なわれる国際共同治験で効果を確かめ、できるだけ早い実用化を目指すという。
担体となる抗体については、既存の抗体を使用すれば(リポジショニング)、抗体開発のプロセスを短縮化することで低コスト化できることも本治療法の特長で、急速に高騰化する薬剤費用の抑制に貢献することも期待される。
小林先生が開発した光免疫治療法は、がん細胞に比較的発現の多いEGFR(上皮成長因子レセプター)に結合する抗体(セツキシマブ)に、光(近赤外線)が当たった時だけ反応する物質(光感受性物質)を人工的に結合させます(武装化抗体)。
そして通常の抗体治療と同様に点滴で投与することでがん細胞に抗体を結合させます。
近赤外光(TVのリモコンの赤外線と同じ)を照射すると、光が当たっている部分だけ光感受性物質が化学反応を起こしてがん細胞の膜を破壊します。
光が当たらない細胞や抗体が結合していない細胞には障害もなく、治療選択性を近赤外光を用いてヒトが決めることができるのです。
従来の多くの抗がん剤治療では、投与したのちに治療効果をコントロールはできません。
しかも、使用する抗体の量は、従来の分子標的治療薬として投与するEGFR抗体量の10分の1程度(セツキシマブとの比較)で済むという利点があります。
普通こんな少量では抗がん剤として効果はありませんが、小林先生はその少量の抗体に光感受性物質を結合し、がん細胞だけが死ぬように工夫したのです。
また、この治療法は、今行なわれている腹腔鏡手術やロボット手術などの外科手術を超える未来をもたらす可能性もあります。
早期消化器がん、例えば、早期胃がんや大腸がんは、転移のリスクも少なく内視鏡や腹腔鏡手術のように縮小手術が中心です。
従来は、高度な技術が必要でしたが、光を当てる(ある意味見ることができる=光が当たる)だけで治癒となる可能性があります。
心臓の合併症があるためにがんの手術をすれば手術関連死亡リスクが高い場合、患者さんは残存や転移のリスクが低ければ手術ではなく、オプションとしてこの治療法を選ぶこともできる。
遺伝子治療の可能性
がん遺伝子治療はがん医療の現場で注目されている治療法で、正常細胞に悪影響を与えずに、全身のがん細胞に効果を発揮する新しい治療方法です。
早期の場合はがん遺伝子治療のみでの治癒も可能であり、進行してしまったがんに対しても手術や抗がん剤と併用することで、手術範囲を縮小したり副作用を抑える効果なども期待できます。
また放射線治療でダメージを与えたがん細胞に、遺伝子治療を行うことで相乗効果も生まれます。
三大標準治療に比べて治療実績がまだ少なく、大学病院などで多くの治験が行われており、保険承認されるまでは時間が必要ですが、最新のがん治療として多くの関心を集めている最先端の治療法です。
また遺伝子治療の応用で各個体の治療にどの治療が有効かなども検知できると期待されています。
先に述べたオプジーボもこの遺伝子検査により効果の事前判断が可能になるとの期待が大きいですね。
異常が治療としての大まかな術式をのべさせていただきました。