私は約40年葬儀業務に携わり、多くの遺族の方と関わってきました。葬儀で一番多い疑問・質問は葬儀費用についてです。やはりお金に関わることは不安に感じる方が多いですし、葬儀にいくらかかるのか不透明な部分が多いと感じることでしょう。
葬儀業者によっては、全体の費用の内訳を提示せずに見積もりを発行してトラブルになっているケースも多く、2012年から国民生活センターに毎年700件を超える相談が寄せられています。
また、葬儀費用の内訳は複雑で、葬儀の知識がないと『騙された!』と思うことも多いようです。
これは葬儀に必要な精進料理などの料理費用、寺院への支払い、このような付帯費用を含めないままの金額で葬儀社が事前見積もりを行い、後日の請求書に全ての金額での請求書になるためです。
【参考:葬儀業界は不透明!?葬儀費用の内訳が複雑で理解しにくい理由とは?】
本来葬儀社は直接請求と他業者に依頼する金額も含め、葬儀全体に係わる金額を示すのが正しい在り方であると思います。
しかし競争力の激しい業界のためか、事前見積もりは安価な金額を示したいのでしょう。
今回は意外と知らない葬儀費用の相場と、知らないと損をする、本当は葬儀屋が話したくない葬儀事情について解説していきます!
葬儀費用が事前に明確になっていれば安心ですね。しかも安価な提示額であればなを更です。全国の葬儀相場が示されていますが、驚くほどかけ離れた、低価格を提示しています。
葬儀は正直、インターネットで確認して依頼する時代に為りつつ有ります。インターネットでの葬儀紹介業としてのポータルサイト会社も、成熟した企業になりました。
本来の理想としていた葬儀社を管理して、均一化したサービスで価格を抑えた低価格を実現できました。
全国的な葬儀費用の平均金額は?
年度 | 通夜・告別飲食接待費 | 寺院へのお布施 | 葬儀一式費用 | 葬儀費用合計 | |
---|---|---|---|---|---|
全国 | 2017年 | 30.6万円 | 47.3万円 | 121.4万円 | 195.7万円 |
関東地方 | 2017年 | 32.7万円 | 50.2万円 | 110.0万円 | 186.0万円 |
【参考:葬儀業界の現状|全日本葬祭業共同組合連合会】
全日本葬祭業共同組合連合会の調査によると、2017年の全国の葬儀費用の平均は195.7万円、関東では186.0万円と報告されています。
全日本葬祭業共同組合連合会が出している報告書は、直送と呼ばれる火葬式や、安価な葬儀も含めた上での内容になっています。つまり、全国平均の葬儀費用は低めに出された数字になります。一般的なお葬式を行うと総額200万円を超えることは少なくありません。
別の統計では122万円?
小さなお葬式を運営するユニクエストの調査では2014年1月、一般財団法人日本消費者協会の調査で葬儀費用は122万円と記載されています。
何が正しい情報なのかわからなくなりますが、葬儀一式費用ということなんでしょう・・・。この辺りから葬儀業界は微妙な感じがしてきますが・・・。
葬儀費用の基本価格は20万円!?
基本料金とは、葬儀を行わない直葬(火葬式)の価格です。一般的な葬儀を行うと200万円を超える葬儀も直葬にすれば費用は10分の1に抑えられます。業者さんごとに基本価格は違いますが、基本料金の20万円から祭壇飾り、精進料理、返礼品、僧侶費用などオプションが増えるごとに費用は加算されていく仕組みです。
火葬式などの直送、基本料金に含まれるサービスは以下のとおりです。
品目 | 内容 |
---|---|
祭壇 | 簡易的なもの |
棺桶 | 八分棺と呼ばれる飾りつけのされていない棺桶 |
火葬料 | 祭場で均一化されていることが多い |
搬送 | 霊柩車による搬送 |
骨壺 | 白磁(はくじ)装飾飾りなし |
ドライアイス | 腐敗を防ぐために必須 |
遺影写真 | 白黒写真・1枚 |
位牌 | 中上 |
焼香セット | 焼香セット一式 |
受付セット | 葬儀用の受付セット一式 |
葬儀式場 | 自宅or式場(式場は費用がかかる) |
葬儀一式 | 簡易的なもの |
※基本料金、品目は葬儀業者により異なる。
これらの品目が葬儀を行うのに必要な費用です。品目は多いですが、費用を最低限に抑える葬儀なので、あなたが想像しているお葬式より寂しい葬儀と感じるでしょう。
また、寺院への支払い、通夜・告別の接待費は含まれませんので、実際にかかる費用はもう少し高いものになってきます。
葬儀の基本料金は業者により大きく異なってきます。葬儀を調査している鎌倉新書のアンケートによると、葬儀業者の基本料金は15万円~51万円という結果も出ています。そのため、葬儀業者選びは慎重に行うことが大切です。
今急成長のポータルサイト会社で、15万件以上の実績のある会社です。
葬儀屋おまかせセットは豪華ですが高額になることがあります
葬儀社の葬儀一式費用やプランやコースが決まっているものは、サービスは多いものの、費用が高めに設定されていることもあります。
例えば、棺桶を豪華なものに変更する、飲食接待にお寿司を追加する、祭壇を色鮮やかな花祭壇にする。このようにオプションで金額が大きく変わってきます。そのため、葬儀社と打ち合わせ時、価格を確認しながら、相談しておくことが必要になってくるのです。
葬儀の仕組みを理解して予算内の葬儀にしよう!
大きく4つに区分けされていることを理解すると分かりやすいですよ。
- 葬儀必需品(必ず必要なもの)
- 葬儀付帯品(葬儀式を行うためには必要なアイテム、個々の状況により判断するもの)
- 葬儀お手配品(葬儀社が葬家に代わり外注手配するもの)
- 葬儀直接手配品(喪主様が各々の業者・知人に依頼するもの。)
葬儀必需品
お棺(棺桶) | 搬送車(寝台車・霊柩車) | お骨容器(骨壺) |
火葬場費用 | 冷蔵保管(霊安室) | ドライアイス |
葬儀付帯品
祭壇(生花・白木) | 焼香セツト | 白木位牌(戒名を書く |
葬儀式場 | 受付一式 | 七・七(後飾り)祭壇 |
遺影(写真) | 枕飾り | 葬儀司会・進行係 |
経帷子(仏衣)・旅支度 | 会葬礼状 | 施設設備 |
お手配品(葬儀屋以外にかかる費用)
通夜振舞い(料理.飲み物) | 香典返し |
精進落とし(葬儀終了後) | 供花・供物(名札を付けて出す生花.果物盛) |
マイクロバス、ハイヤー | 電報 |
直接手配
僧侶、牧師、神父 | 戒名、墓石等寺院への費用 | 面影ビデオ、音楽葬の費用 |
葬儀社の打ち合わせのときに多くの項目を判断していかなければなりません。知らない言葉ばかり並んで頭に入ってこないこともあるでしょう。そして、葬儀社主導で行われる打ち合わせは最終的に費用が高くなることもあります。
予想以上に葬儀費用が高くならないように、予め予算を伝えておくことが重要です。見積もり時には全額の費用を計算してもらうようにしましょう。
葬儀屋さんも商売ですから、悪気があるわけではなく、高価なプランで契約してもらいたいという思惑もあります。打ち合わせ中に『最後のお別れですから』というワードが出たら高価なプランを提供している可能性は高いですね。
お葬式の規模で費用は大きく変わります
盛大な葬儀を執り行えば費用は大きくなります。葬儀では香典が入ってきますが、費用の一部にしかならず、大部分の葬儀費用は遺族が負担することになります。香典の収入で葬儀は黒字になるのか?赤字になるのか?知っておきたい部分ですよね。香典についてはこちらの記事が参考になるので、併せて参考にしてみてくださいね。
【参考:葬儀費用はお香典だけで黒字か?赤字か?葬儀屋が徹底解説します!】
費用はできるだけ安く抑えたい
親戚を含めても30人も参列しないから葬儀は小さく家族だけで行いたい
家族だけの葬儀になるので1日葬(お通夜がない1日だけの葬儀)にしたい
葬儀に呼ぶ家族や親族もいないから火葬式だけで良いと思ってる
葬儀の目的を明確にしよう
- 故人を思い偲ぶことが第一の目的とするのですか?
- 後継者である人をお披露目する意味を込めた事を主眼にするのですか?
- 亡くなられた方がどんなセレモニーを望んでいると思いますか?
- 見送るあなたの望むセレモニーはどうであって欲しいのですか?
葬儀必需品を考え、必要なもの、不要なもの区別することで葬儀費用を抑えることは可能です!
葬儀は故人が亡くなってから火葬までの時間が短く、喪主や遺族は短い時間に多くのことを判断していかなければなりません。事前に葬儀費用のことを考えておく、事前に葬儀社に見積もりを出してもらうなどを工夫する必要があります。
失敗のない葬儀にするため事前の段取りは必要
事前に葬儀費用計算が出来ていたならば理想的です。
- 葬儀は見栄を張るものではありません。
- 葬儀は親族皆さんに協力してもらいましょう。
- 葬儀は亡くなった故人と見送るあなた・家族が一番大事であり、そのために行う儀式です。
- 大事なことを行う代価としてあなたは幾ら支払う用意が有りますか。
- 同じ内容の事をするなら安いほうが良い、安ければよいと言う問題ではない、充実した内容でしかも低価格である。
葬儀で失敗したと感じたら、見送られた故人がかわいそうです。満足の行く葬儀にするためには、事前にあなたが葬儀の知識を身につけ、信頼できる葬儀社を見つけることが重要です!葬儀の資料請求をして費用を比較する、電話での対応を確認したり、段取りを取ったりしておくことも重要です。
10年前の葬儀は地元に根付いている葬儀屋に依頼する、知り合いの葬儀屋に依頼することが当たり前でしたが、現在は消費者が葬儀屋を選べるようになりました。良い業者を見極めるコツは、高品質、低価格の業者を比較してみることからはじめることです。
葬儀の資料請求をしておいて、『資料を見ながら比較している』と説明すると、意外と上手に値下げ交渉できることもあります。葬儀費用の知識を得ることで、上手に葬儀業者と付き合えるはずです。
資料請求は無料ですし、ネットから簡単に手続きも取れます。まずは比較してみることから始めてみることが大切です。詳しくは下記もご覧ください。